銀塊
今日は特に目立った出来事はなく、部員それぞれが好きな実験に取り組んでいました。筆者もひとつ実験をしたので、ご紹介します。
話は前回の活動に遡るのですが、筆者は硝酸銀水溶液で銀樹を作ろうとしたところ、溶液の濃度を誤って大量の銀を析出させてしまいました。銀といっても反応に使った亜鉛など不純物も混ざっており、とても銀には見えない茶色い泥のような状態でした。(写真を撮るのを忘れてしまいましたが…)とはいえ銀は銀なので、捨てるのももったいないと思って乾かしておきました。
そして今日部活に来てみると、乾かしていた泥のようなものは乾いて茶色の粉末になっていました。そこで、この粉末から銀だけを取り出して塊にしようと思い立ったのです。
まずは粉末に含まれる主な不純物であると考えられる亜鉛を取り除くため、希塩酸に粉末を入れて様子を見てみました。亜鉛は塩酸に溶け、銀は残るはずです。しばらくすると、まさに銀色といった感じの粉末になりました。
次に、この粉末を電気炉で1000℃近くまで加熱して融かしました。ちなみに銀の融点は961.8℃ほどです。
そして融けた銀を耐熱の実験卓に垂らすと…
形は崩れてしまいましたが、最初の泥とは見違えた姿の銀になりました。
(別アングル)
純銀とまではいかないですが、確かに展延性や金属光沢のある銀らしい銀を得ることができました。今回の実験は失敗から始まったものですが、今度は意図的に、もっと大きな銀塊を作れたらなと思います。
それではまた次の記事でお会いしましょう。良い一日を!
2024/6/3 麻布学園化学部広報K.N
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